最近、お金にまつわる事件が巷をにぎわせている。
間違えて振り込まれた数千万円を使ってしまった事件、持続化給付金総額10億円の詐欺事件、国税局職員の給付金詐欺事件などなど。お金にまつわる事件が多く取りざたされている。
この場で私がこれらの事件にとやかく言うことはしない。
ただ、「お金が欲しい」という欲に駆られて犯罪を起こしてしまう現実に目をそらしてはいけないと思う。
お金は人を幸せにするし、不幸にもする。事件を起こした人達は「これで幸せになれる」と思ったのだろうか?
そもそもお金は人を幸せにするのだろうか?
そんな疑問に答える面白い話がある。
ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の権威 ダニエル・カーネマンは幸福度と収入は比例するが、年収7万5,000米ドル(約800万円)で幸福度はほぼ頭打ちになるということを明らかにした。
実は日本でも2019年から「満足度・生活の質に関する調査」という名目で世帯年収と幸福度(総合主観満足度)に関する調査結果を内閣府が発表している。
出典:「満足度・生活の質に関する調査」に関する第1次報告書 令和元年5月24日 内内閣府政務統括官(経済社会システム担当)
このグラフの縦軸(左の第1軸)は幸福度(総合主観満足度)を示している。
総合主観満足度とは、「現在の生活にどの程度満足しているか」について、0 点から 10 点の 11段階で満足の度合を質問し、「全く満足していない」を 0 点、「非常に満足している」を 10 点として調査を実施した結果の指標を示している。ここでは幸福度=総合主観満足度としている。
このグラフを見ると、いくつかのことがわかる。
1)日本人の幸福度(総合主観満足度は世帯年収が2000万円以上3000万円未満をピークに下がることがわかる。面白いのは1億円以上の世帯年収があっても、幸福度(総合主観満足度)は「500万円以上700万円未満」同程度であることが面白い。
2)幸福度(総合主観満足度)の増加幅は、「100万円以上300万円未満」(5.20点)から「300万円以上500万円未満」(5.68点)に増加する点が0.48と一番大きく、それ以降は金額の上り幅に対して幸福度(総合主観満足度)の増加幅は少なくなっている。
この2つのことから分かることは、「収入に比例して幸福度は上昇しない」ということ。
カーネマンの研究でも、内閣府の調査でも収入が増えるにつれて幸福度は鈍化し、そしてピークを迎えてそこから下がってくる。
つまりは収入がある一定レベルを超えると基本的な生活に支障がなくなり、それ以降はお金と幸福度は関係が薄くなる。
いくら以上の収入があれば幸福なのか?
これも人それぞれ違うだろう。その上で重要なことは「お金の使い方」
自分は何にお金を使いたいのか?自分のお金の使い方は何を重視するのか?
これらを踏まえた上で自分が幸せと思う収入を考えてみると、幸せの形が見えてくるのではないだろうか・・・。
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